【書評】亀井広著「ガダルカナル戦記」【大人の教養講座第1弾】

2016.7.11

閑話休題。

投資本以外の、人生をほんの少しだけ豊かにする大人の教養講座として、私がオススメする本を紹介します。今回が記念すべき第1弾。

ガダルカナル戦記の概略

本書は、第2回(1980年) 講談社ノンフィクション賞を受賞した作品で、現在では戦記ものの古典的名著となっています。ボリュームも相当なものであり、合計で2000ページ近い大作となっています。アマゾンの中古本で1円(笑)から購入できますので、金をかけない読書にうってつけです。かなり古い本であることから、インタビューに答えてくれた旧軍人関係者の実名及び住所が書中に記載されており時代を感じさせてくれます。

この本の特徴は、戦略レベル、戦術レベル、個人の戦いのレベルまで徹底的に記述されており、それらが相互にかみ合って全体像を把握できるようなっていることです。現在では、当時を知る人はほとんど鬼籍に入っているため、これを超える著作が世に出てくることはないでしょう。

ガダルカナル島の戦いとは

ガダルカナル島は太平洋に浮かぶ小さな島で、濃密な密林が生い茂る大変起伏の激しい過酷な自然環境を形成しています。日本軍は太平洋戦争開戦以来、破竹の勢いでフィリピンなど、太平洋の島々を手に入れてきましたが、この島においてアメリカ軍との戦いに敗れることで、その後の太平洋戦争の趨勢が決定付けられます。

ガダルカナルでは、補給もないまま将兵はジャングルの中を彷徨うわけですが、ジャングルと言ってもインドネシアなどの「生ぬるい」ジャングルではなく、あまりにも木々が密生しているため、空気が淀み、全てが一瞬にして腐敗するとんでもない自然環境となっています。そのような中で、将兵は餓死や戦病死など、筆舌に尽くしがたい惨状を呈し敗北します。

戦略レベルでは、大本営において何度も撤退の二文字が参謀の頭をよぎりますが、面子や今までに費やした人的物資など、「このまま撤退すれば死んでいった兵たちに申し訳ない」というお決まりのパターン(サンクコスト)に拘泥し、泥沼の状態へと膠着していきます。

戦術レベルにおいても、米軍は高性能集音装置をジャングルの各所に配置するなど、効果的な戦法をとったのに対し、日本軍側は夜間の切り込み作戦など古典的な方法にたよって、自滅していきます。

まとめ

この本からは非常に多くの教訓を得ることができます。戦力の小出しが裏目に出てしまうこと、無責任体制が無限的な責任を発生させてしまうこと、将兵の能力に頼ってしまい軍のシステムを放棄してしまうなどなど・・・

また、日本軍の特徴である「組織の硬直化」、「上層部の無責任体制」、「全ての階層の思考停止」などはまさにブラック企業そのもののように感じます。

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